略歴
芦川 進一
略歴
1947年、静岡県三島市生れ。静岡県立沼津東高等学校を経て、東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。並行して三島在住の哲学者小出次雄(1901-90)に師事。マヤコフスキー学院でロシア語を学んだ後、東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻に進み、修士課程及び博士課程でドストエフスキイのキリスト教思想を研究。津田塾大学でドストエフスキイ・比較文学を担当した後、代々木ゼミナールを経て、河合塾で英語科専任講師を35年間務める。河合文化教育研究所研究員として、1987年より2023年まで「ドストエフスキイ研究会」を主宰し、自らの研究を進めると共に、多くの後進を育成。同研究所の閉鎖に伴い、2023年4月より新たな「ドストエフスキイ研究会」を設立し今に至る。
(芦川進一 -Wikipedia より)
著作
ドストエフスキイ関連
・『隕(お)ちた苦艾(にがよもぎ)の星』(河合文化教育研究所、1997)
ドストエフスキイ初の西欧旅行と福沢諭吉の西欧探索の旅との比較考察
・『「罪と罰」における復活』(河合文化教育研究所、2007)
ドストエフスキイの代表作の構造、殊にその宗教構造の分析
・『ゴルゴタへの道』(新教出版社、2011)
日本の代表的宗教者・思想家・作家とドストエフスキイ世界の響き合いの考察
・『カラマーゾフの兄弟論』(河合文化教育研究所、2016)
ドストエフスキイの遺作の構造、殊にその宗教構造の分析
・『予備校空間に於けるドストエフスキイ』(河合文化教育研究所、2022)
ドストエフスキイを核とした「学びと創造の場、伝達のドラマ」の記録と報告
英語参考書
- 『英語基礎貫徹ゼミ-多義動詞』 (河合出版 1990)
- 『芦川の基礎貫徹英文解釈』 (三省堂 1993)
- 『英語基礎貫徹ゼミ — ゴマかしたくない! 多義語・語法・キーワード ―』 (河合出版 1996)
主な論文
- 「ドストエフスキイにおけるイエス像 —『カラマーゾフの兄弟』に即して」(大貫隆・佐藤研編『イエス研究史―古代から現代まで』所収、日本基督教団出版局、1998)
- 「『罪と罰』-隠された女神たち」(木下豊房・安藤厚編『論集・ドストエフスキーと現代』所収、多賀出版、2001年)
- 「文学の中の家族―ラスコーリニコフが属した三つの家族―」(『家族ケア』所収、家族ケア研究所、2003年4~6月)
- 「虚無としての腐臭」(『キリスト教文学研究』第23号所収、日本キリスト教文学会、2006)
- 『「一 粒の麥」の死の譬え ―『カラマーゾフの兄弟』のユダ的人間論 ―』(『キリスト教文学研究』第33号所収、日本キリスト教文学会、2016)
- 「『カラマーゾフの兄弟』の「光」について」(親鸞仏教センター、研究会「親鸞とドストエフスキイ」に於ける発表、2022)
主な講演
- 「ラスコーリニコフ、〈個人史への視点〉」(「ドストエーフスキイの会」第34回例会での発表、1997。これを同会の雑誌『ドストエーフスキイ広場』No.8に「異聞・『罪と罰』 ― 召使ナスターシャの回想」として掲載、1998)
- 「ドストエフスキイの時間、そして私たちの時間」(日本女子大教養特別講義、2005)
- 「イワンとアリョーシャの聖書 ―モスクワ時代、イエス像構成の一断面―」 (早稲田大学ロシア文学会主催・秋季特別講演会 (日本ロシア文学会、早稲田大学ロシア研究所共催、2014)
- 「ドストエフスキイ、イエス像探求の足跡 ―ユダ的人間論とキリスト論―」(親鸞仏教センター「現代と親鸞の研究会」第55回、2017)
- 「ゴルゴタへの道 ―ドストエフスキイと日本人 」(東京大学日本宗教思想史研究会、2014)
- 「イワン・カラマーゾフのキリスト —「大審問官」、福音書からのアプローチ—」 (ドストエーフスキイの会・232回例会での発表、2016。その後同タイトルで、同会の雑誌『ドストエーフスキイ広場』No.26に掲載、2017)
- 「ドストエフスキイと福沢諭吉、二つの旅」(東京YMCA、2019)
エンリッチ講座
河合文化教育研究所主催「エンリッチ講座—ドストエフスキイを読む—」に於いて、全8回にわたり『夏象冬記』の講読がなされた。以下は各回のテーマである。なお第6回目が『隕(お)ちた苦艾(にがよもぎ)の星』のタイトルの下に、同研究所より出版された(1997年)。その他のものも、ドストエフスキイを軸とした比較文学比較文化のケーススタディとして出版を予定している。
- ドストエフスキイの生涯の問題点 —様々な終末感覚—
- ドストエフスキイの作品と問題点 —カーニバル空間—
- ドストエフスキイのロシア的背景 —TOCKA・タスカ空間—
- ロンドンとの対決 —キャロルの不思議の地下室—
- パリとの対決 —ボードレールの悪の地下室—
- 二つの西欧体験 —福沢諭吉の『夏象冬記』—
- 同時代の巨人たち —アンデルセン、もう一つの分身—
- ドストエフスキイと聖書 —『夏象冬記』の終末論—
翻訳
- 『イエス・キリスト』(ルイ・ルプランス・ランゲ編『世界伝記双書』、佐藤研共訳、小学館、1983)