著作/論文
予備校空間のドストエフスキイ ―学びと創造の場、その伝達のドラマ―
著者 芦川進一
発行 河合文化教育研究所
発売 (株)河合出版
2022年 11月刊行
目次
前編
予備校graffiti —私が出会った青春—
後編
「絶対のリアリティ」の探求 —様々な問いとの出会い―
《前半》
1.「この炎を超えるものはあるのか?」
2.「東京には何があるのか?」
3.「猿を聞く人捨子に秋の風いかに」
4.「この混沌とは何なのか?」
5.「神はあるのか? 不死は存在するのか?」
《後半》
6.「今ここの、絶対のリアリティを掴めているか?」
7.「何が社会を変え得るのか?」
編集部による内容紹介
著者の芦川進一講師は、河合塾の首都圏で英語科の授業を担当し、1980年代後半から三十余年にわたり多くの若者たちの支持を得ると同時に、付属研究機関の「河合文化教育研究所」で「ドストエフスキイ研究会」を主宰し、教え子である大学生や社会人と学ぶ場を共有し続けてきました。そこで出会った若者たちを中心とする六十名の青春を振り返り、現在にも続く彼らとの交流をまとめたものが第一部です。
そして静岡県三島市での少年時代から、とりわけ1960年代の東京における浪人時代から三十代にかけての煩悶と覚醒が、小さな塾の恩師の導き(ドストエフスキイと聖書、芭蕉などを通じて)の許にあったと語るのが第二部です。
その生涯の恩師となる小出次雄とその師である西田幾多郎との師弟関係は、著者と小出との「塾大学」という形での厳しくも慈愛に満ちた関係にも一貫して受け継がれ、ついに芦川講師自身によって、20世紀後半から三十余年、河合塾という予備校空間で、ドストエフスキイを軸として、その「関係」は奇跡的にリレーされました。
その百年近くにわたる「学びと教えのかたち」のドラマがこの書の随所に象られています。